郵便局は重要な生活インフラのひとつです。普通郵便だけでなく、貯金や振り込みでお世話になっている人は多いでしょう。私には、そんな郵便局を巡る趣味があります。

 何を目的にして巡るのか。ひとつは「風景印」です。切手の隅に押される消印が、実は局によって違います。希望すると局オリジナルの風景印を押してもらえます。

 もうひとつは「旅行貯金」です。窓口で貯金をした時に「局名印を押してください」と伝えると押印してくれます。この旅行貯金、普通はシンプルな局名のみ入ったものなのですが、局によっては何かイラストやその土地を表すフレーズが入ったものが押されます。これは「宝印」と呼ばれ、非常にレア度が高くなるのです。

 〝旅行貯金業界?〟において、宝印が多いと言われるのが和歌山県です。和歌山市の郵便局であれば、ほとんどで和歌山城か紀州手まりのイラストの宝印と出合えます。海南市であれば、「生活グッズの町」というフレーズが入る郵便局もあります。

 元々この趣味、高校生の時に始め、和大に勤め出した約15年前、本格的に再開。全国で約1100局を訪問しました。郵便局は全国に約2万4000局ありますので、私はまだまだです。

 昨年末現在、県内には311局あります。紀南は制覇し、残り約10局になるまで巡りました。県内の多くの郵便局で宝印に巡り合え、全県的にこれほど宝印と出合える都道府県はないと思います。最近はその価値が見直されたのか、香川県西部や広島県東部地域では、エリア単位で宝印を整備しています。

 イラストやフレーズから、その地域の特長や営みを見ることができます。訪れる郵便局でイラストの意味を聞いたり、教えていただいたりするのも旅の醍醐味です。平日、窓口が開いている時しかできない趣味なのが悩ましいですが、皆さんも違った角度で郵便局を訪れてみてはいかがでしょうか。

和歌山大学准教授 西川 一弘(第2土曜担当)

(ニュース和歌山/2022年2月12日更新)