ペルーは、南米の中で最も早く日本から移民を受け入れた国であるため、日本との友好関係が非常に強いです。国内に暮らす日系人約10万人は世界で3番目の規模です。日本食レストランや日本の100均ショップまであり、日本にいるような感覚を味わえます。

 昨年は日系人協会設立100周年で、来年は移民の開始から120年を迎えます。様々な県人会が活動しており、和歌山県人会もあります。

 和歌山県人会は、毎年、日系総合施設で行われる運動会や夏祭りなどのイベントに参加し、和食を詰めた弁当販売などで日本をPRします。和歌山からのペルー移住が110周年を迎えた今年、10月に記念式典が開かれます。私も参加したいものの、協力隊の活動期間が終了し、日本に帰国している予定です。以前参加した県人会の新年会で、3世や4世(10代の子達)が「和歌山に行ってみたい」と話していて、ペルーと和歌山でこれからも何か交流事業ができればと思います。

 協力隊の任期は9月末で終わり、この連載も次の8月が最終回です。改めてペルーの魅力を振り返ると、第一に思い浮かぶのは「人」です。南米の人たちは「全員が友達」という意識を持っています。スペイン語で「アミーゴ」は友達という意味ですが、店で店員を呼ぶ際もアミーゴを使ったりします。また、仲良くなったペルー人には「次、いつ遊びに来る?」「私の息子」と言われるくらい、大切にしてもらっています。また、家族愛を非常に強く感じます。このような点は、日本はもっと学ばなければいけないでしょう。

 ペルーにはマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵、葦を組んで造った浮島で先住民族が暮らすチチカカ湖など、すばらしい場所がたくさんあります。もし、観光で訪れた際は、こうした場所を訪ねるだけでなく、ペルーの人とのふれあいも体感してもらいたいです。

写真上=現地のナカマとチチカカ湖へ/同下=弁当を販売する県人会

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 向陽高校出身で元甲子園球児の森敏郎さんが、青年海外協力隊として赴任するペルーからレポートを届けます。

(ニュース和歌山/2018年6月16日更新)