怖さ:1
里の妖怪
出没地域:かつらぎ町

 全国に出没する「小豆とぎ」「小豆洗い」という妖怪がいる。川原で小豆を洗いながら、「お米とぎやしょか、人とって食いやしょか、ショキショキ」と言っては人々を驚かせるのだが、かつらぎ町・天野地区のオタケ藪に棲む小豆とぎは少し違う。人が通ると小豆をとぐような音をたて、「小豆もろたが餅米ほしよ、くっしゃくっしゃ」と言うのだそう。このセリフを聞くと、どうも和歌山の小豆とぎはあんころもちが好きなようだ。人を驚かせる以外、特に悪さをしないが、しわがれたその声を気味悪がり、誰も藪の側を通らなかった。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年10月13日更新)