今回の疑問は、和歌山市のやすけさんから届いた「なぜ和歌山にパンダが来てくれたの?」です。

 丸々とした体形とかわいらしい仕草で多くの人を魅了するジャイアントパンダ。白浜町堅田のアドベンチャーワールドでは永明(えいめい、写真)を筆頭に6頭が暮らしています。昨年8月にわずか75㌘で生まれた彩浜(さいひん)は1歳を迎え、25㌔にまで成長しました。

 和歌山にパンダがいつ、どのような理由で来たのかアドベンチャーワールドに聞きました。

 


 

希少動物の繁殖実績があった

 「なぜパンダが和歌山に来たの?」。アドベンチャーワールド広報課の長谷川穂波さんに聞きました。

 ジャイアントパンダが和歌山に初めて来たのは、1988年9月。中国の四川省から来たシンシンとケイケイでした。同年3月から岡山で行われた中国三大珍獣展と青函トンネル博でのお披露目を経て、アドベンチャーワールドでも3ヵ月間公開され、人気を博しました。

 当時、中国政府は森林伐採やえさ不足による野生のジャイアントパンダ減少に危機感を募らせ、保護への取り組みを始めていました。これを機に、同園は中国側に飼育繁殖を共同で行いたいと申し出ました。白浜のきれいな空気、水、えさとなる竹が手に入りやすいこと、チーターやシロオリックスなど希少動物の繁殖実績が評価され、94年、繁殖を目的に飼育動物を貸し借りするブリーディングローン制度により、日中共同自然繁殖研究を開始しました。

 その後、16頭の子宝に恵まれた同園。9月に27歳となるオスの永明は、飼育下で自然交配し、繁殖した世界最高齢のジャイアントパンダです。これからも白浜のパンダファミリーは、全国に笑顔を届けていきます。

(ニュース和歌山/2019年8月17日更新)