怖さ:3
町の妖怪
出没地域:和歌山市

 昭和30年代、和歌山市の某所での話。町内でもその家は大きいお屋敷だった。板塀が長く続き、塀の向こうには植木がきれいに剪定されていた。本来なら、植木を眺めながら歩くその道は心地よいものなのに、何度通っても奇妙な気配を感じた。ある日、いつものようにその道を歩くと、これまで以上に気配を感じる。早く行き過ぎようと、足を速めた次の瞬間、塀の脇に建つ電柱の影から、真っ黒で、ひょろひょろした、背の高い人影がゆっくり現れた。人影はこちらに気づいたように、塀をまたいで家の敷地に入っていったという。

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(ニュース和歌山/2021年3月27日更新)