怖さ:2
山の妖怪
出没地域:日高川町ほか

 昔、山小屋や炭焼き小屋などでは桶を小屋の外に置き、小便用の便所代わりにした。そんな桶の小便が一夜のうちに空っぽになることが度々あった。人々は「小便飲みが出た」と恐れたという。この小便飲み、正体は狼ではないかと言われる。狼が塩気を求めて小便を飲むとの話が数多く残されており、これを避けるために便所を屋内か中庭に造る、先手を打って予め塩を与えておくなどの対策が伝わる。日高川町では病を患った狼は人の小便を飲むと治る、みなべ町では狼が小便を飲みに来るので、疫病を防ぐ神、牛頭天王(ごずてんのう)を祀って拝んだら来なくなったとの話が残っている。

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(ニュース和歌山/2021年7月17日更新)