怖さ:2
山の妖怪
出没地域:橋本市

 ちっちりこは和歌山弁で「松ぼっくり」のこと。橋本市に住むAさんのおばあさんは、ちっちりこで人形を作る名人だった。Aさんは年老いたおばあさんの代わりに、家の裏山へちっちりこを拾いによく行った。その日もカゴいっぱいに拾ったので帰ろうとしたところ、見たことがないくらい大きなちっちりこを見つけた。拾おうと手を伸ばすと、ちっちりこがひとりでに、ぴょんと弾んだ。目の錯覚かなと思い、もう一度手を差し出すと、ちっちりこからゴトヒキ(ヒキガエル)のような顔がにゅっと出て、そのままどこかへ逃げていった。

…   …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み1017円)。

(ニュース和歌山/2021年9月4日更新)