怖さ:4
山の妖怪
出没地域:和歌山県某所

 愛犬の散歩中、近所の老人に「恙虫がおるから、○○には行くなよ」と言われた。老人の飼い犬はそこで恙虫とやらに刺されて死んだらしい。初めて聞く名前の虫だったので調べてみると、妖怪としても紹介されていた。『桃山人夜話 絵本百物語』では「昔、恙虫という虫がいて、人を刺し殺した…」とある。さて、恙虫の恙とは病のことで、病をもたらす虫を意味する。実在するダニの仲間で、これに刺されるとツツガムシ病を発症し、ひどい場合は死に至るそうだ。和歌山での確認が少ないので、老人の愛犬は別種のダニからの感染症が死因と思われるが、犬の散歩には十分ご注意を。

…   …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み1017円)。

(ニュース和歌山/2021年9月11日更新)