怖さ:2
家の妖怪
出没地域:和歌山市

 古くなって、粗末に捨てられた草履(履き物)が化けたもので、様々な話が全国に残っている。昔、和歌山城下のお屋敷で働いていた植木屋が、仕事の腕を称えられて、家人から一足の立派な履き物を頂いた。喜んだ植木屋は早くこれを履きたいと、長年愛用していた草履を捨ててしまった。その夜、妙に騒がしいので目を覚ますと、部屋の中をヒュンヒュン、何かが飛び交っている。それは捨てたはずの草履だったという。また、他県では大事に扱われなかった履き物が「カラリン、コロリン、カンコロリン、まなぐ三つに歯二ん枚(=目玉が三つに歯が二本)」と歌い出した例もある。

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(ニュース和歌山/2021年11月13日更新)