怖さ:0
里の妖怪
出没地域:和歌山県某所

 和歌山県のとある山中に、「しばすべり」と呼ばれる鼬の妖怪が棲んでいるという。古老の話だと、「狐の七化け、狸の八化け、鼬(またはテン)の九化け」との言い伝えがその地域にはあった。化けるのが狐や狸よりも上手く、人間の姿に化けては、よく里にやってきて、半日も里人と話したり、仕事を手伝ったりしたのだそうだ。時には、うっかり化けそこね、正体を露にしたままで里にやってくることもあったが、里人たちはだまされたふりをして、一緒にお茶を飲み、食べものを与えた。この話を聞いて、昔は人と妖怪の共存が普通に見られたんだなと思った。

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(ニュース和歌山/2022年1月15日更新)