怖さ:1
川の妖怪
出没地域:白浜町

 日置川沿いの山間に里谷という村があり、村人は炭焼きや山仕事をして生計を立てていた。ある時、村に嫁さんがやってきた。一緒に暮らしていたお婿さん、その父と母は働き者で、仕事が終われば疲れ果て、ろくに口も利いてくれなかった。嫁さんの寂しさは募るばかり。それでも、やがて子どもができた。ある夜、子どもの夜泣きが止まらない。このままでは朝の早い家族に迷惑をかけると、我が子を背負って飛び出した。気がつけば村はずれの滝の前。滝に映る自分の姿に故郷の母を思い出し、子どもをおんぶしたまま滝つぼに身を投げた。それからこの滝には子を背負ったウナギが見られるという。

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(ニュース和歌山/2022年3月26日更新)