2016年にスタートした人気連載「マエオカテツヤの妖怪大図鑑」は今回で300回に到達です。これを祝し、おめでたい妖怪を2つ紹介します。

幸福度:5
山の妖怪
出没地域:高野山

 ある記述によると、高野山の奥の院には一双の鳥がいて、その目は金色で、足の爪は青い。これを「天鳥」といい、普通の鳥ではないとある。これを読んで、かつて高野町に住むAさんの話を思い出した。Aさんが子どものころ、高野山で美しい鳥を発見した。雉でも山鳥でもない、見たことのない五色に輝く鳥だった。家に帰って家族に話すと、それは「鳳凰」で、それを見つけたAさんはきっと長生きすると言われた。「そのせいで私は長命なんだ」と92歳のAさんは笑った。霊鳥の鳳凰、一説では「鳳」は雄、「凰」は雌であるという。一双との共通点がある天鳥も、きっと縁起の良い鳥なのであろう。

(ニュース和歌山/2022年10月8日更新)