怖さ 0
川の妖怪
出没地域:九度山町

 現代のように用水が発達していなかった昔、人々の暮らしにとって旱魃は大敵だった。特に農家にとっては死活問題だ。そんな時、人々は雨乞いをした。神仏に降雨を祈る雨乞いには様々な方法があるが、伊都郡見好村(現在のかつらぎ町の南部)や九度山村では、どんな雨乞いも効果がない時、最終手段として、鍋尻を川または池で洗った。丹生川中流に白鯰が棲んでいて、鍋墨を川に流されると体が汚れるため、それを嫌って、雨を降らせてきれいに洗い流すのだといわれている。白い生き物は神の遣いとされることが多く、これもその一つだろう。

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(ニュース和歌山/2023年6月17日更新)