お好み焼きをはじめとした鉄板料理を味わえる岩出市森の「鉄板文化」。女性を中心に「野菜が甘い」と人気の店です。それもそのはず、代表でオーナーシェフの寺岡哲史さん(36)は農業も営み、自ら有機栽培した朝採り野菜をふんだんに使用。和歌山産のしらすや南高梅も使ったヘルシーな「和歌山もんじゃ」、溶かしたチーズをたっぷりかけて味わうラクレットなど、新鮮な野菜を様々な料理で堪能できます。(文中敬称略)

 

毎朝、畑仕事

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──「鉄板文化」、壮大さを感じさせる店名です。

寺岡 お好み焼き店と焼き鳥店を営んでいた3年前、社員旅行で訪れたロサンゼルスで、街のゆったりとした雰囲気に魅了され、「将来はここで、日本の鉄板料理文化を広めたい」と夢を抱きました。そんな思いを込め、2015年4月に2つの店を統合してオープンさせたのが「鉄板文化」です。

──どんな料理を。

寺岡 中心は関西風のお好み焼き、そしてもんじゃ焼きです。使う野菜は自分で有機栽培し、朝採りしたものなんですよ。

──えっ、店の経営をしながら、農業もですか?

寺岡 20代のころ、農業を始めた友人を見て以来、「自分で育てたものをお客さんに提供したい」との思いがずっとありました。それを実現させたのが4年前。義母の農業を手伝い始めました。今は30種ほどの冬野菜を育てていて、学校給食用に卸し、直売所にも出しています。毎朝7時に畑に行き、9時ごろまで作業に汗を流し、収穫したその足で店へ出て、お客様に提供します。

〝幸せごはん〟

──これ以上ない新鮮さです。

寺岡 「野菜が甘い」。お客さんからのその言葉が何よりうれしいですね。野菜以外の材料もできる限り地産地消にこだわっています。「和歌山もんじゃ」には野菜のほか、海南のしらす、南高梅を入れ、みそも自家製。このほか、鶏肉は紀州うめどり、卵はそのうめどりが生んだものを使います。鉄板で蒸し焼きにし、外はパリッと、中はふわっと仕上げる「紀州うめどりのステーキ」は最近好評ですよ。

──他の人気は。

寺岡 ラクレットですね。トマトやじゃがいも、ブロッコリーといった自慢の野菜に、溶かしたチーズをかけて食べていただきます。あと、隠れた人気が、無料でお出しするお通し。硬めにゆがいたブロッコリーや白菜の漬け物など、こちらも自家製野菜を味わってもらいます。

──目指すお店像は。

寺岡 16歳の時、飲食店でアルバイトを始め、高校を中退してこの世界に入り20年です。最近は外食中の家族が、それぞれスマートフォンをさわり、会話が全くないという場面をよく見かけます。でも、例えばもんじゃならみんなでつついて、コミュニケーションが自然と生まれる。鉄板料理はみんなでわいわい食べられるのが良いところです。そんな雰囲気も含めた〝幸せごはん〟を提供できるお店をこれからも追求していきたい。

【鉄板文化】
岩出市森119-1
0736・61・7244
11:30〜14:00 17:00〜23:30
木曜休み

(ニュース和歌山2016年2月10日号掲載)