連載コラム「言わせて安保法制」に読者から多数のご意見を頂きました。今回はその一部をご紹介します。

 安保法制に関する議論は、論理的な思考の下に行われているでしょうか。感情的な主張やメディアの偏りによって、そのバランスを失ってはいないでしょうか。ひとまず、賛成・反対という旗印を降ろし、論理的に考えてみるべきです。論理的にと言うからには、問い・大前提・小前提を置く必要があります。ここでは、「限定的な集団的自衛権の行使容認は合憲か」という問いを立ててみます。合憲性を判断する訳ですから、その大前提は、憲法の条文です。また、多くの人々が既に賛同している憲法解釈も、条文と不可分一体のものであり、大前提として扱います。その観点では、自衛隊の存在と個別的自衛権の行使容認とを合憲とする政府解釈は、十分、大前提たり得るものだと言えるでしょう。すなわち、自衛のための必要最小限度の実力は「戦力」ではなく、自衛の措置として国際法・憲法上、違法性を阻却される武力の行使は合憲である、という解釈です。端的に言えば、憲法の許容する自衛の措置の限界を超えるものであるか否かが、合憲性の分水嶺となる訳です。次に小前提を考えます。ここで、①およそ集団的自衛権の行使となれば、憲法の許容する自衛の措置の限界を超える、とするのか、②国際法上、集団的自衛権の行使とされるものの中にも、その「限界」を超えないケースがある、とするのか…。どちらが小前提として採用されるべきかを、大いに議論するべきです。しからば結論は自ずと定まりましょう。 〈神奈川県 瀧本悠貴〉

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 集団的自衛権の行使拡大をめぐる安保法案で、自衛隊の活動が拡大するとのことですが、国民はキツネにつままれたごとく、不安ばかりが募り、細かいことがさっぱり分からない。そこで提案ですが、「大阪都構想」にならい、全国民を対象に、詳細な解説をつけたアンケートで住民投票を実施してはいかがでしょうか。そうすれば、国会で憲法や法律をちょこちょこっといじくって、こっそり決めてしまった挙げ句の果てにのっぴきならないことになったという感じがなくなり、国民もある程度納得できて、降って湧いたような危機感も少しは和らぐという意味で、その方がましな気がします。 〈和歌山市 中川祐一〉

「言わせて安保法制」一覧

(ニュース和歌山2015年8月29日号掲載)