1.17.8-9熊野古道の本

 紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録10周年を記念し、熊野古道を世界遺産に登録するプロジェクト準備会は11月、冊子『熊野草子』を出版した。小野田真弓代表は「熊野古道の歴史や成り立ち、世界遺産との関わりなどをまとめました。熊野古道を知らない人、知ろうとする人の興味を広げる入門書です」と説明する。

 1997年に地元青年が立ち上げた同会。発足当初から毎月第3日曜に大阪から熊野をめざす歩く会を開き、今春には6巡目に突入する。熊野古道を歩くイベントや、講演会、写真展を開き、県や国を巻き込んでの登録運動を展開。登録10周年を迎えた昨年、登録までの経緯を記録し、17年間の活動で得た知識や経験を伝えようと冊子を作成した。

 1章では登録までの活動の経緯とたずさわった青年たちの思いを、2章は世界遺産の基礎情報とその中における熊野古道の位置づけ、未登録地が残っているなどの課題点を挙げた。3章は熊野古道全体の概要と、九十九王子の現状を記し、訪れた人が史跡を見つけやすいよう配慮。4章はQ&A形式で、参詣の際に登場する歴史上の人物や用語の解説を盛り込んだ。

 無料。A5判、90㌻。希望者は小野田さん(073・433・1678、午後8時以降)。

(ニュース和歌山2015年1月17日号掲載)