提案者:坂本 太(和歌山外国語専門学校理事長代理)

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 私は和歌山市内で留学生を受け入れる日本語の専門学校をしています。ここに来る留学生は、日本での進学や就職など様々な目的を持っています。

 昨年、県が発表した長期人口ビジョンによると、2015年に96万人、40年に70万人、そして60年には50万人になると推計されました。45年の間に半減してしまいます。同様の地方が多い中、政府は「地方創生」という名の下、大都市から地方への移住を促しています。しかし、同じ時期に国が出した日本の人口ビジョンは、15年に1億2600万人、40年に1億700万人、そして60年には8600万人です。

 皆さんも気付いたはずです。日本全体の人口自体が45年後、30%減るのです。県は60年でも70万人を保つことを目標にしていますが、日本全体と同じ減少幅を実現できるとは考えにくいです。現在より増加させる100万人を維持する計画を立てなければ、70万人の実現は難しい。  

 しかし、可能にする唯一の方法があります。それは、日本の外から人を連れてくることです。ただ、ここで連れてくる外国人は、母国でも優秀な人が望ましいでしょう。つまり、人口を増やすためだけでなく、和歌山の経済力や競争力を引き上げられる人材です。

 外国人=安い労働力は古い考えです。現在は知的な外国人がたくさん流入しています。実際、理系の人材や看護師不足の中、私の学校を卒業し活躍する生徒が多数います。ハノイ工科大学からのベトナム人留学生は日本語と英語、理系の知識を生かし、県内の企業で国際的に活躍しています。中国人は日本語で看護師の国家試験に合格し、和歌山の病院で看護師として一人前に働いています(写真)。

 このような海外の人材を受け入れるには、彼らに対する県民の正しい理解が必要です。文化や考え方の違いを受け入れ、ともに働き、暮らせる資質を我々が持つべきです。柔軟に異文化を理解できれば、アメリカのシリコンバレーのように、世界の英知が集まる場所に和歌山がなるでしょう。

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も明記ください)。次号以降掲載致します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。
 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。
【応募先】
編集部「よくする法案」係
郵送=〒640・8570 ニュース和歌山
FAX=073・431・0498
メール=nwtoko@nwn.co.jp

 

法案への読者の声

2月20日号掲載 声掛けで心のバリアフリーを

 街中など身近で困っている人を見かけた時に、自然に声を掛け合うような、心のバリアフリーが整った温かい社会を目指しましょう。(和歌山市視覚障害者協会理事・能澤義和)

 

sansei 私は障害のある人や子どもに声を掛ける。昔は隣近所が声を掛け合って、よその子がいたずらをしていれば注意をしたが、昨今はそんなことはない。忙しい世の中、人情が薄くなったのであろうか。登下校の児童にあいさつをしても、黙って通り過ぎる子が大半。社会情勢が暗黙のうちに「知らない人から声をかけられても、答えてはだめ」と言っているのだろうか。「声掛けで心のバリアフリーを」には温かい響きがある。高齢化が進む中、歩行が困難な方が増えつつある。行き交った際には「お気をつけて」と声掛けをしている。ましてや白杖を持っている人には、より一層気配りをしたい。(無職 匿名・80歳)

 「私は人見知りだから」。この言葉を言い訳に、見ず知らずの人に声を掛けるのをためらってきました。しかし、そういう心が、困っている人をより困らせてしまうことになっていたのだと思います。私もそろそろ、心を開いて生きていこうと思いました。(会社員 匿名・37歳)

 

2月13日号掲載 14日はフェアトレードチョコで

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 発想が少し短絡的では? 子どもの労働は胸が痛むが、フェアトレードチョコを買えば、この子どもたちは確実に保護され、教育が受けられるのか? 子どもの労働禁止が徹底されない限り、たとえ今の労働を免れても、他の労働に従事させられたり、人身売買などの犯罪に利用されたり、弱者がさらに苦境に陥るのでは。根底にあるのは貧困対策、社会福祉、児童福祉の問題。それに裕福ではないので、高価なチョコは買えない。高価な物は買えないが、無理のない範囲で寄付などささやかな援助はしたいと思う。善意の法案であるし、決して提案者を非難するつもりはないが。(アルバイト 匿名・54歳)

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 子どもたちの労働については、解消できるよう願う。しかし、そうしなければ、子どもたちやその親も生きていけないことも事実。現地で起こっている問題は、現地でしか解消できないので大変難しい。ただ、チョコレートの選択の幅が広がるという点は賛成。一人ひとりがこだわって選べば、楽しさが増す。(契約社員 川﨑健太・33歳)

(ニュース和歌山2016年2月27日号掲載)