晴れているのに長靴以外は「イヤ」、寝る前の歯磨きも「イヤ」…。2歳半の次女はイヤイヤ期真っ盛り。一日中、あらゆる場面で「イヤ」を繰り返す▼当然だが大人の都合で動いてくれないため、親の気持ちに余裕がなくなってくる。厳しい言葉を投げつけ、親の思うように無理矢理させてしまうこともしばしば。虐待は決して許されないが、思わず手を上げてしまう親の気持ちも分からなくはない▼「子供の心を育てる一声を」。和歌山市が発行する「少年センターだより」の表紙右上に毎号、この言葉が書かれている。8月号で、「考えさせる、やる気にさせる、できるようになる、そんな一声をかけたい」と紹介されていた▼自分の子どもにかけている言葉を思い返すと、恥ずかしながら「心を育てる一声」ではなかった。親が「正しい」と思っていることを子どもに押しつけがちだが、子どもの気持ちに寄り添って、その声に耳を傾ける姿勢を意識してもつ。この中に、子どもの心を育てる一声を見出したい。 (林)

(ニュース和歌山/2019年8月10日更新)