1月まで13年間、大阪に住んでいた。お酒を飲むのが好きで、近所の串カツ屋や行きつけの焼き鳥屋に1人で行っては、常連客や店員と一緒に飲んでいた。戻った今も、週に1度は1人で飲みに出かけている▼ある日、いつも通り飲んでいると、若い女性が少し離れた席に座った。ふと、「女性の一人飲みは珍しいな」と思ったが、大阪に住んでいたときはそんなことを思わなかったと気付いた。大阪では、1人でお酒を飲む若い女性を見かけるのは珍しくなかったのだ▼地元の友達のほとんどは20代中ごろに結婚し、子どもがおり、育児で自分の自由な時間をつくるのが難しいそうだが、大阪や東京に住む同世代の友達は、男女とも30歳を超えた今も独身生活をおう歌している人が多い▼都市部の晩婚化が進む昨今、それを感じる風景が酒場にあった。家庭を持つ楽しさと独身でいる楽しさ、都会と地方、少しの気付きで、ありふれた風景の裏側にある、地域によって異なる様々な生き方を垣間見た。 (馬上)

(ニュース和歌山/2019年8月17日更新)