提案者:上野 圭子(上野塾塾長)

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 私の曾祖父と祖父が、東京市麻布区飯倉町の徳川家に勤めていた親族に出した古い手紙(写真)が手元に残っています。消印は明治34年、35年となっており、勝浦や古座の港から出したようです。

 かつて和歌山の港は、酒や油、しょう油などの食品や材木、綿織物と色々な物資が江戸に運ばれる拠点でした。江戸時代には菱垣廻船や樽廻船などが紀州の各港を経て日用品を輸送し、明治時代には紀州航路の定期船の寄港地となり栄えました。

 地球儀を見ると、紀伊半島は太平洋に囲まれ、北米、南米、アジアにせり出しており、国と国をつなぐハブ港として最適な土地に思います。昔のように和歌山の港が栄え、30年、50年後にはアジアのハブ港として、日本からは車や機械類などを輸出し、世界中からあらゆる物資を一手に集める活気に満ちた港にしたいものです。

 しかし今、海運の拠点となる国際的なハブ港湾や空港は、中国や韓国に席巻されてしまっています。韓国南部の釜山港は、国家プロジェクトとして超大型船が接岸できるよう新港の開発を進めています。日本は指をくわえて眺めているのではなく、和歌山を世界のハブ港にしてもらいたいです。そうすれば、物資の流れが活発化し、企業の工場、倉庫もどんどん造られるでしょう。

 雇用が多くあれば、和歌山に人が集まり人口減も解消し、昔の紀州藩の活況を呈するでしょう。私は塾で多くの子どもたちと接する中、塾生の多くが仕事さえあれば、この和歌山で暮らしたいと思っているのを感じます。多くの企業が仕事場をつくり、働く場があれば和歌山で働きたい、親の世話もしたいと望む若者たちの受け皿になります。

 そのために、和歌山が海上物流の世界の拠点となるような港造りをはかり、活気ある県に変ぼうしていけばと願います。

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。

 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。

【応募先】

編集部「よくする法案」係

郵送=〒640・8570ニュース和歌山

FAX=073・431・0498

メールnwtoko@nwn.co.jp

法案への読者の声

3月14日号掲載 昼休み後に15分の仮眠時間を

 昼食後の眠気は、身体の機能が起こす自然な現象。眠気による作業効率低下の改善のため、昼休み後に15分の仮眠時間をつくることを提案します。(睡眠健康指導士・西中孝樹)

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 実際に仮眠時間の確保を実践している企業もあると聞いたことがあり、仕事の効率が上がるという。働きすぎの日本人には残業問題とあわせて今後取り組むべき課題である。(主婦 匿名・30歳)

  眠気を我慢して授業を受けたり、運転したりするのは愚の骨頂! 勇気を出して少し睡眠をとると、スッキリしてやる気がでてくる。15分の睡眠を取り入れて、学習効果をあげている学校もある。(看護師 匿名・27歳)

 私は73歳で、まだ現役で仕事をしているが、職場は自宅の近くなので、昼食は自宅でとる。その後の15~20分の仮眠が至福の時間で、午後からの活力がわいてくる。(会社員 匿名・73歳)

 実際に実行してみると、仕事の効率が上がり、シャキーッとした。(公務員 匿名・54歳)

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 勤務時間は、仕事に従事する時間であり、睡眠など体を休める時間ではない。心身のリフレッシュのために休憩時間が保障されているので、仮眠が必要な人は、休憩時間にすべき。仮眠により、各自の仕事効率はアップするかもしれないが、勤務時間中の仮眠を許可すると、休憩時間とのけじめがつかず、組織全体の仕事の効率が下がる可能性もあるのでは。(公務員 戸川定昭・50歳)

 仮眠をとると頭もすっきりして仕事の能率が上がることは体験上からよく理解しているが、現実的には仕事の電話が入ったりして、なかなか仮眠できないことが多いように思う。また職場によっては、昼休みを満足にとれない場合もある。法案を実施する限りは、全てが公平に実施できねばならないので、現状では難しい。各人が自分に合ったリフレッシュ方法を考えるしかないのでは。(無職 匿名・68歳)

3月7日号掲載 「夕日をゆっくり 見るひとときを」

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 1日の野良仕事を終えて田のあぜに座り、春の夕日を見送ると心がいやされる。宇宙の不思議と広大さにひたりながら、今生かされている至福を満喫する。雑賀崎の双子島荘から見る海に沈む夕日もきれいだが、紀の川にかかる龍門橋から見る山に沈む夕日もまたすばらしい景色だ。世界に1つの太陽のありがたさに感謝し、生活できる今の喜びを大切にすると共に、日の出と山に沈む夕日に合掌し、感動している。(農業 匿名・87歳)

 夕日には何かしら体にしみるものがある。私の住む地区で、散歩の道すがら、素晴らしい夕日に出合う場所がある。すごく霊力が感じられ、西方浄土とはこういう彼方を指すのではないかと思わせる。真っ赤に燃える太陽とあかね色の空を見ていると、亡き夫がそこにいるように感じる。夕日が落ちたあとの空のグラデーションがまた見事だ。(無職 大江光子・84歳)

 昔は太陽が時間の尺度で、陽が昇ると仕事を始め、沈むと仕事を終えた。今は24時間営業の時代で、街中では一晩中電気がつき、時を忘れた時代とも言える。これでは体内時計やバイオリズムも狂って、健康を損ねてしまうのも当然だ。本法案のようにのんびりしたひとときを過ごすことにより、失われつつある人間本来の生活リズムを取り戻せる気がする。(塾講師 中川祐一・57歳)

 お日さまは希望であり、生きる力。私は朝日に「今日一日お願いします」 と祈り、お日さまから力をいただく。夕日には「今日一日ありがとう。明日もお願い」と祈る。(パート 匿名・62歳)

(ニュース和歌山3月28日号掲載)