「和歌山の洋食店で二郎系が食べられる」とSNSで4年前から注目を集めていたラーメンイベント。その主催者が3月、店舗を構えました。和歌山市太田に「麺屋みやび」を開いた山本雅和さん(39)は、こってりが特徴の二郎系をベースにしながら、後味すっきりに仕上げた自慢の一杯で、客のハートと胃袋をつかんでいます。

 

イベントで人気

──なぜラーメンイベントを?

 「母が神前で営業する洋食みやびの知名度を上げようと、月1、2回、店を借り、当時の職場があった横浜から帰省し、和歌山に少ない二郎系ラーメンを提供するイベントを4年前に始めました。二郎系はかみごたえのある太めんと、それを覆うように盛り付ける野菜が特徴。二郎系が和歌山で通用するか試したい気持ちがありました」

──大盛況だったとか。

 「初回は12杯でしたが、徐々にSNSで話題になり、4回目は完売、5回目には開店前に人が並んでいました。以降もお客さんは増え続け、4年間で約50回開催しました。『麺屋みやび店舗化はよ』『麺屋みやびロス』との書き込みが多く、気付けば自分の作ったラーメンで故郷の人たちが喜んでくれているのがうれしくなってきました。月1、2回だと売り切れて食べられないお客さんがいたし、真夏に並び熱中症で倒れた方も…。さらに洋食屋の設備では大量のラーメン作りに限界がきていたので、地元での開店を決意しました」

ほれた味再現

──ラーメン作りはいつから?

 「東京の大学に通っていたころ、キャンパスの近くにあったラーメン二郎の味にほれ込み、バイトを始めました。大学、大学院の7年ほど勤め、重要な役割を任されるようになり、もっと自分の味を追求しようと、スープのとんこつをできるだけ少なくし、野菜の甘みやしょう油のコクを生かし、パンチだけじゃなくさっぱりとした後味にしました。定休日に店を借りて、友人に振る舞うこともありました」

──念願のご自身の店。こだわりは?

 「和歌山の中華そばは細めんで、スープは比較的濃く、焼き豚は薄め。一方の二郎系は硬めの太めん、とんこつベースでニンニクと脂たっぷりの濃いスープに、分厚く硬めの焼き豚と違いが多い。自分のラーメンは自家製の太めんを使い、スープのベースはとんこつですが、その味に頼りすぎないよう、とんこつの量をギリギリまで減らしスッキリした後味にこだわりました。しっかり煮込んだもやしとキャベツをめんが隠れるくらいのせ、焼き豚はやわらかく、ジューシーなものを使っています。『めんがいい味してる』『最後の一滴までおいしい』と好評です」

──今後の目標は?

 「由良町のにんにくや湯浅町のしょう油など、和歌山の食材を使ったメニューを作りたい。新型コロナの影響で元気がなくなりがちですが、ウチのラーメンでパワーをつけてほしいです」

 

【麺屋 みやび】
和歌山市太田2ー14ー9
11時〜14時、17時〜21時
㊐夜と㊊㊋定休
☎073・499・8726
※持ち帰り・ネット通販あり

(ニュース和歌山/2020年7月4日更新)