「餃子を和歌山の新定番メニューに」と、和歌山市の繁華街アロチで午後の明るい時間から店を開けるオカダヤ。店主の岡田博之さん(46)が、一度食べて衝撃を受けた義母の餃子を受け継ぎたいと始めたこの店は、食べやすさを重視した一口サイズの餃子が女性に人気です。店は5年目に突入し、5月31日にテイクアウト専門店を同市中之島に開店しました。大きな夢に向けて歩みを止めません。

義母の味 継承

──なぜ餃子専門店を?

 「実は元々、餃子が好きではありませんでした。でも、義理の母の餃子がおいしくて…。義母は以前、大阪で中華料理店、現在は岩出市で居酒屋を開いているんです。その餃子を初めて食べたとき、さっぱりしていて食べやすく、でもしっかり味がついていて、ビールとの相性も良く、はしが止まらないんですよ。いつか飲食店をやりたいと思っていた私は、『この餃子を受け継ぎたい、この味をもっと広めたい』と、整備士の仕事を辞め、店を手伝うようになりました」

──こだわりは?

 「義母に手ほどきを受け、油っこくない、とにかくあっさりした味を追求しました。材料はシンプルです。肉は国産で脂身の少ない赤身の豚ミンチ。野菜は白菜やニラ、特にショウガを多く使って味を強調しています。その代わりニンニクはほんの少し。なので食後のニオイは気にしなくていい。女性もパクパク食べちゃいますよ」

──一つひとつが小ぶりですね。

 「大きい餃子はタレをつけて半分食べ、その後もう一度タレをつけて残りを食べる。でもそれだとタレの味が勝ってしまう。一口大にすることで、具材の味をしっかり感じてもらいたい。そのために皮は薄いものを特注しています。中身の味を閉じ込めながら皮の味が主張しすぎないようにしています」

 

店でも自宅でも

──新店舗がオープンしました。

 「5月末、紀和駅近くにテイクアウト専門店を開きました。去年オープン予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期し、ようやくです。昼飲みの文化を和歌山で広めたかったので、本店はお酒を飲む人がビール片手に昼過ぎから餃子を楽しめるように午後3時開店。中之島は住宅が多く、昼ご飯に食べられるよう、午前11時から開店しています」

──幅広い人に食べてもらえそうですね。

 「夢は全国的に認知度の高い和歌山ラーメンと並び、『和歌山餃子』と呼んでもらえるようにすること。常連客もいますが、口コミを聞いて来る一見さんも多く、人が人を呼んでくれていることが自信につながっています。おいしいの声を受けて、目標だった地方発送もスタートさせました」

──今後は?

 「新型コロナが収束したら、中之島店も店内で食べられるようにできればと考えています。夜勤終わりにビールと餃子でちょい飲みできる。こちらの店は、朝でも昼でも夜でも、毎日がんばって働いている人たちが、笑って過ごせる憩いの場にしたいと思っています」

 

【オカダヤ】

●本店
 和歌山市吉田744
 15:00〜24:00 ㊐定休
 ☎073・422・6078

●中之島店(テイクアウト専門)
 和歌山市中之島874-22
 11:00〜19:00 ㊐定休
 ☎073・488・6465

(ニュース和歌山/2021年6月5日更新)