オープンから10年。和歌山市太田のリール アフェアーは、自社ブランドの熊野ポークはじめ、熊野牛ほか県産の肉をメーンに提供しています。マネジャーの藤田美佳さん(52)は「地元の食材を、地元の人にたん能してもらうため、リーズナブルにしています。果物や魚介類だけでなく、和歌山はお肉もおいしいですよ」と目を輝かせます。

良質な霜降り

──ステーキにハンバーグ、スペアリブと肉メニューが豊富です。

 「建物1階にある肉料理ダイニングくまのの姉妹店です。県内産の牛、豚、鶏と様々な肉を味わえるよう、低価格で提供しています」

──イチオシは?

 「やわらかく、肉の甘みが強い、きれいなサシが入った熊野ポークです。県畜産試験場、近畿大学生物理工学部と共同で研究、開発しました。良質な霜降りにするため、数あるアミノ酸の中でも、豚の健康を保ちつつ、よりうま味を引き出せるものを7年かけて探し出しました。これを使ったオリジナルの飼料で育てており、5年前から出しています」

──どんな料理に?

 「肉本来の味を楽しめる、シンプルなポークステーキです。普通の豚肉より脂身の甘さが強く、かむ度にジュワッとうま味が口いっぱいに広がります。それでも脂っこさはなく食べやすいので、はしが進みますよ。お客様には『嫌なこってり感はなく、おいしさだけが口の中に残る感覚』と喜んでいただいています」

──この他にはどんな料理が?

 「余分な脂を落として食べやすくした特製スペアリブや、薄切りの赤身肉にチーズを挟んで焼き上げる牛コルドンブルーステーキ、また鴨肉やラム肉を使った料理もあります。どれもボリュームが特徴です。ランチはほとんどが880円。この値段だとお肉は100~120㌘で提供する店が多いのですが、うちではより満足していただくため、基本150㌘、ハンバーグだと200㌘で出しています」

挑戦心忘れず

──いつからこの店に?

 「そう菜店で働いていたこともありましたが、料理は家庭で作る程度。こちらにはアルバイトとして入社しました。やるからには中途半端は嫌なので、『ここは自分の店だ』との意識を持つようにしました。自家製パンを出すために勉強したり、アレルギーを持つ人向けにグルテンフリーのシフォンケーキを作ったりと、自分なりにチャレンジ精神を持って取り組んできました。4年前に正社員となり、現在はマネジャーとして、運営のほか、通常メニューや毎月19日に出している限定メニューの企画を任せてもらっています」

──店は10周年です。

 「肉料理以外に、魚介料理やピザ、パスタ、丼物と、『お肉はちょっと重いかな』『あっさりと、和食を食べたい気分』と思う人向けの料理も用意しています。おかげで老若男女問わず食事を楽しんでいただいています。良質なお肉を安く提供するのが店のモットーなので、オープンから10年間、値段は同じです。このスタイルを変えず、味、価格、そしてランチ、ディナーのコースを含め40種類以上あるメニューの豊富さで、今後もお客様の期待にこたえ続け、和歌山産の肉のおいしさを届けていきたいです」

【リール アフェアー】
和歌山市太田1ー4ー34
伊勢屋ビル2階
11:00~14:00
17:00~21:30
☎073・471・5300
定休日 なし

(ニュース和歌山/2022年8月27日更新)