《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医  手外科専門医
谷口 泰德副院長・センター長

 この子の病気は、10歳前後の小学校高学年の男の子に多い病気で、シーバー病と思われます。シーバー病の名前はアメリカの整形外科医の名前に由来しています。踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)とも呼ばれます。子どものスポーツ障害としてよくみられ、使い過ぎ症候群の一種です。ランニングをしたりすると足のかかとに痛みを強く感じます。かかとに軽い腫れや熱を持つこともあります。かかとを内側と外側から押すと強い痛みがでます。痛みを避けるためにつま先歩きをすることもあります。

 原因は急にスポーツを始めたり、練習量が増えたことによる使い過ぎ、かかとへの負担の集中です。体操や剣道など裸足で行うスポーツや不適切なシューズでのスポーツ活動に生じやすいです。レントゲン写真では、かかとの骨に病気に特徴的な変化がみられることもあります。

 治療は、原因と考えられるスポーツや激しい運動を控えることです。アキレス腱とふくらはぎをしっかりと伸ばすストレッチを行います。2カ月ぐらいで痛みは軽快します。後遺症を残すことはありませんが、かかとに痛みや腫れが続く場合は、整形外科専門医の先生の診察を受けてください。

(ニュース和歌山/2022年8月28日更新)