《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長

 小指、薬指が痺れる病気に肘部管症候群があります。この病気は肘の内側を通る尺骨神経が肘部管と呼ばれるトンネルの中で圧迫されたり、引き伸ばされたりして発症します。原因は骨折や加齢による肘の変形、ガングリオンによる圧迫、尺骨神経脱臼などです。野球、柔道、水泳による肘へ過度な負担も原因になります。この病気が進行すると手の筋肉が痩せてきて指の麻痺や変形が起こり、筋力が低下します。鉛筆やハシを使う細かな動作が困難になります。肘の内側を軽く叩くと指先に痺れが走ります。

 レントゲン検査で肘関節の骨の変形を確認します。神経伝導速度検査を行うことで正確に診断でき、症状が似ている頚椎症との鑑別ができます。治療は初期症状の時は投薬や肘の安静の保存療法を行います。これらの治療が無効の場合や手の筋力低下、麻痺が進行している時は手術が必要となります。手術にはいくつかの方法があります。肘の変形が軽い時は、神経を圧迫している線維を切除する手術が行われます。肘の変形が重度の時は、骨をけずったり、神経を前方に移動する手術を行います。治療の詳細は手外科専門医にご相談ください。

(ニュース和歌山/2026年7月18日更新)