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 東日本大震災の被災者を元気づけようと2015年12月29日と30日、和歌山市で活動する青年団体のメンバー5人が宮城県と福島県を訪れた。みかんを使ったレクリエーションで被災者と交流した。企画した同市青年団体協議会の高垣晴夫さんは「震災を忘れていないことを行動で表すことが被災者の励みになる。支援は5年目で、新しい家や商業施設が増え、町に色が戻り始めた。現地の人たちの表情も少しずつ平穏を取り戻しつつある」と話す。

 和歌山市の青年団体が集まる同協議会や、YMCA、建築士会のメンバーが県青少年育成協会や県観光連盟の協力を受け、2011年から毎年訪問。12年以降はみかん1㌧を被災地に届け、交流を続ける。

 29日は宮城県石巻市の上釜会館で住民約70人と「みかん狩り運動会」を開いた。2チームに分かれ一定時間内に運んだみかんの数を競うバケツリレー、ざるの中のみかんを狙う輪投げなどで盛り上がり、参加者は獲得したみかんを早速食べていた。

 準備に携わった宮城県BBS連盟の木村和裕会長は「まだまだ復興の途上で、仮設住宅で暮らしている人も少なくない。遠くから毎年支援に来てくれて住民たちも本当に感謝している。このご縁を大切にしていきたい」と喜んでいた。

 メンバーはこの後、石巻日日新聞が開設する博物館「石巻ニューゼ」や、福島県で避難地域に取り残されたペットの保護に取り組むSORAアニマルシェルターを訪ね、現地の状況を視察し、和歌山県に伝わる稲むらの火の故事にちなんだ11月5日が「世界津波の日」に指定されたことなどを紹介した。

写真=みかん移し競技では参加者の笑顔がはじけた

(ニュース和歌山2016年1月13日号掲載)