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 低価格で泊まれ、全国で続々と増えるゲストハウス。北海道から沖縄まで120軒以上を取材した和歌山市の前田有佳利さんが、全国版ガイドブック『ゲストハウスガイド100』を7月27日、ワニブックスから出版した。「それぞれの宿に込められた思い、魅力がありました。スタンプラリーのようにたくさん巡るのもいいですが、ぜひお気に入りの宿を見つけてほしいですね」と望んでいる。

 前田さんは向陽高校を経て同志社大学を卒業後、リクルートに就職。週末に全国のゲストハウスを巡る生活を続け、2011年に紹介サイト「フットプリンツ」を立ち上げた。現在は起業し、まちづくりや移住、旅などを専門に、執筆活動を行っている。

 同書は5年間で訪ねた宿から100軒を選び、「日本情緒あふれる古民家」「交流重視のひとり旅」「アート建築好きにおすすめ」など12分野に分けた。

 初心者向けにチェックイン方法や設備の解説ページを設けたほか、運営者へのアンケートを解析し、利用者の年齢、ゲストハウス増加の推移といったデータも盛り込んだ。「全体の9割は新築でなく既存物件を改装したものだったり、3分の1の人が移住して開業したりと傾向が分かり、自分でも発見がありました」とにっこり。 

 外国人にも参考にしてもらえるよう、屋号と住所は英語を併記し、表紙は旅先で目立つよう赤くシンプルに仕上げた。「ゲストハウスはおしゃれでリーズナブル、そして何より楽しい。素泊まりなので必然的にまちに出て、食事したりお風呂に入ったりすることになる。まち全体を楽しむ拠点として運営されているのが分かりました」と話している。

 20㌢×15㌢、144㌻、1404円。ワニブックス(03・5449・2711)。また、同書の編集者で『ぼくたちに、もうモノは必要ない。─断捨離からミニマリストへ』の著者、佐々木典士(ふみお)さんとの出版記念トークショーを8月27日(土)午後6時、和歌山市吹上の県立近代美術館内ブリングブックストアで開く。1000円、本付き2200円。申し込みはHP(http://www.footprints-note.com/contacts/other)。

(ニュース和歌山2016年8月13日号掲載)