得津美惠子さん 新作小説

 2007年〜08年にニュース和歌山で小説『愁歌』を連載した和歌山市の得津美惠子さんが、新作『織部千春が消えた日』を10月1日に出版した。「どこの家庭で起こってもおかしくない物語。読み終えた時にこの本のタイトルの意味が分かります」と話す。

 舞台は和歌山市。主人公、千春の娘、加奈は有名進学校に入学するも不登校に。これをきっかけに家族の関係が崩れていく。いじめ、不倫、こころの病…。様々な問題に直面した家族の崩壊と再生を描く。

 得津さんの娘が不登校になった時に体験したことや、人の言葉に傷つけられたことなど、自身の経験も少なからず入れた。「いじめにあう人や、不登校になってしまう人は、優しくて、真面目な人が多く感じる。人生で一番大切なのは、地位や名誉にかかわらず人を思いやる気持ち。家族って何だろうと、改めて考えるきっかけになれば」と願う。

 A6判、324㌻。900円。宮脇書店和歌山店、TSUTAYAガーデンパーク店で販売。

(ニュース和歌山/2019年10月5日更新)