カメラの西本元スタッフ〜愛好家が憩う場開設

 6月、77年の歴史に幕を閉じたカメラの西本。和歌山市西高松の車庫前本店で長年店頭に立っていた田中公康さん(写真左)とであいのりこさん(同右)が10月2日、写真愛好家の憩いの場にと「モノクロハウス」を同市和歌浦中にオープンした。田中さんは「このまま終わるのは昔からの常連さんに申し訳ないと再スタートを決意した。もう一度、写真談義に花を咲かせたい」と笑顔を見せる。

 40年に渡り、カメラに関する相談を受けてきた田中さん。モノクロ写真教室や街を歩きながら写真を撮るイベントなどを企画し、地元写真ファンと信頼関係を築いてきた。田中さんを慕う野尻勝大さんは「撮り方、プリント、展示方法に至るまで、親身になって的確にアドバイスをくれる。田中さんの人柄にひかれ多くの愛好家が集まり、客同士の交流も盛んです」。

 プリントや額装、古い写真のリメークを受ける紙一枚工房の事務所を兼ねた建物。1階は、田中さん所有の貴重なクラシックカメラと共に、写真についての評論や年鑑、雑誌約1000冊を展示する。日当たりの良い2階はフォトスタジオで、今後、ワークショップや作品展を行う予定だ。

 日本風景写真協会元理事で共同運営するであいさんは「フィルムからデジタルに代わり、データで写真を残す人が増えた。しかし一番の魅力はプリントしてこそ表れるもの。この場所が紙で保存する人の後押しになれば」と望んでいる。

 午前10時~午後6時。㊋定休。詳細は「紙一枚工房」インスタグラム

(ニュース和歌山/2020年11月14日更新)