初のイベントに親子50人

2015021402syou

 障害への理解を広めようと活動するボランティア団体、てぃ~だちゃいるどが2月7日、講演・交流会を開いた。障害を持つ子の親による体験談や意見交換を通じ、障害について知る機会にと初企画。鈴木寿美代表は「小さいころから障害者とふれ合うことで、優しさや思いやりの気持ちを育てることができる。そういう心を育む活動に取り組んでいきたい」と描いている。

 鈴木さんが活動を始めたのは2年前。ダウン症の娘を育てる中で出会った友人が、障害を持つ息子の将来を案じながらがんで亡くなった。これを機に、障害があっても安心して暮らしていけるよう、社会に障害への理解を呼びかけるエッセー『ダウン症の娘はフラガール』を出版。共感の輪が広がり、これまで300冊以上が売れた。

 出版の際、記念交流会を開いたところ、健常者の子の母親から「障害者と接する機会が少なく、どう接して良いのかわからない」との声があった。障害の有無を問わず、誰もが一緒に楽しめる場をつくるため、仲間と会を昨年立ち上げ、イベントへの参加や情報交換などを行ってきた。

 この日は、障害のある子とその親や健常者親子ら50人が参加。まず、日本ダウン症協会会員の宮本敏企さんが講演した。宮本さんは娘がダウン症と分かった時、「障害を受容するための前向きな意味がほしかった」と振り返り、子の成長を見守る中で、「小さな当たり前のことに喜べるようになり、他人事と思っていたことが我がことに思えるようになった」と経験を話した。

 宮本さんは得意とする腹話術やマジックも披露(写真)。参加者同士の交流も行われ、発達障害の子を育てる五十川(いそがわ)順子さんは「障害に関係なく、愛情を持って育てたら良いのだと思いました。ダウン症についても知ることができ、仲間がいれば希望が持てると教えてもらえた」。

 鈴木さんは「障害をもつ未就学児の保護者は情報が少なく不安が大きいようで、それぞれの悩みや不安などを積極的に出し合っていました。障害者理解に向けた講演と交流会を定期的に開いてゆきたい」と話していた。

 活動詳細は同会フェイスブック。鈴木さん(teadachild@yahoo.co.jp)。

(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)