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 国産のいぐさにこだわる和工房(和歌山市北野)がクッション性の高い畳「ふわ畳〜FUWA」を開発した。子どもが安心して遊べ、高齢者の身体にやさしい畳を目指した。福田剛代表(34、写真中央)は「国産のいぐさの良さを生かし、〝高級な畳は硬い〟という常識を覆すことに挑みました。人を守る床材として発信していきたい」と話している。

 20歳で畳職人を志し、9年前に独立した福田代表。一貫してこだわるのは国産のいぐさだ。近年、中国産が多く使われ、国内で生産するのは熊本や広島などわずか9県。国産いぐさは繊維がしっかりつまり、弾力性、調湿性、消臭性などに優れているが、生産農家は減る傾向にある。こんな中、福田代表は、生産農家からいぐさを買い入れ、純国産の畳を作っている。

 「ふわ畳」は3年前に構想し、使用素材を試してきた。一般の本畳は、わらで作る床をわらで挟み込む形だが、ふわ畳は、断熱性や保湿作用のあるスタイロ床の上に木材ボードを重ね、その上に〝企業秘密〟のクッション材を入れ、国産のいぐさで仕上げる。「柔らかさに耐えうるのは国産のいぐさ。その粘りと割れにくさがあってこそ実現できました。転んでも安全で、畳としても強い。普通の和室でも置き畳としても使ってもらえると思います」と福田代表。

 同社はこれまでも国産いぐさの良さをアピールするため、畳縁の素材を袋にして、いぐさの原草をたばねた「たたみ草」や、花瓶や人形の台となる「ちっこ畳」を生み出した。福田代表は「本当の畳の香りは日本人の心に故郷を思い浮かべさせます。畳を通じて伝統を守る取り組みにも力を入れたい」と意気込んでいる。

 同社(073・462・7575)。

(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)