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 「夜勤もあるけど、退院する患者さんの笑顔を見たらがんばれる」「国籍関係なく、プロの看護師として技術を磨きたい」——。和歌山外国語専門学校(和歌山市駿河町)を卒業し、和歌山県内で看護師として働く中国人11人が集まり、6月23日に同市で行った交流会。久しぶりに会った同窓生、日本語教師と仕事のやりがいや悩み、故郷の思い出を語り、励まし合った。

 高齢化社会で患者が増え、離職率が高いため全国的に看護師不足が深刻化している。同校は2011年から中国山東省にある看護学校卒業生を受け入れ、県内の病院の協力を得て中国人看護師を育てている。これまで18人が日本の看護師国家資格、24人が准看護師試験に合格した。

 この日集まった11人は、和歌山市や橋本市、白浜町の病院で働く。和歌山市和歌町の寺下病院に勤める原金煒(げん・きんい)さんと魏守琪(ぎ・しゅき)さんは、4年前に来日。実習生として働きながら難関と言われる日本語能力試験1級に合格し、13年に看護師資格を取得した。原さんは「久しぶりにみんなと会えて、刺激を受けた。和歌山は第二のふるさと。ずっと働ければ」。魏さんは「看護師として3年目になり責任が重くなってきた。もっと知識を蓄えて、患者さんの役に立ちたい」と語った。

 彼女らを指導した日本語教師の神藤説子さんは「社会人として悩みながらも成長した姿を見て感動しました」。寺下病院の上司、中京子看護部長は「この子たちのがんばりを見ていると『命に国境はない』と感じます。患者さんに慕われ、日本人看護師の刺激になっています」と笑顔を見せていた。

写真=やりがいや悩みについて語り合った

(ニュース和歌山2015年7月11日号掲載)