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 視覚障害のある子どもたちに向けた絵本や教材を作る「県障害者支援赤十字奉仕団 拡大写本ボランティアグループあかり」は8月7日、弱視の人が読めるよう文字や絵を大きくした拡大写本と、手ざわりの優しい布で仕上げた絵本計25冊を和歌山市西高松の県立図書館に贈った(写真)。榎純子委員長は「これまでは盲学校や支援学校に寄贈してきましたが、図書館は初めてです。今まで絵本とふれる機会のなかった子どもたちに本と出合ってもらえれば」と願う。

 1979年発足の同会は拡大写本のほか、視覚障害者がさわって動物の形が分かるよう配慮したぬいぐるみ、知的障害児のために布を素材にした絵本などを手づくりしている。現在は女性13人が毎週1回集まり、製作にあたる。

 今回贈った拡大写本は、『おこりんぼママ』『ガリバーりょこうき』『みつばちマーヤ』はじめ、市販されている絵本を見やすくした20冊。絵や文字を大きくしただけでなく、明るい色を使ったり、絵一つひとつを黒で縁取りしたり、背景をなくしてシンプルにしたりと、弱視者が見やすいよう配慮している。このほか、絵に凹凸が出るよう布で作った『ノンタンぶらんこのせて』『だるまさんと』など5冊も贈った。

 同館は展示方法や貸し出し方法を検討中で、「読むことをあきらめてしまっていた子たちに、読書の楽しみを感じてもらえれば」と語っていた。

(ニュース和歌山2015年8月22日号掲載)