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 和歌山市鷹匠町のオオマチデンキ(道屋悦司社長)がプールの中で歩数を計れる「水歩計」を開発した。腕時計のように手首に巻いて計測するもので、現在、試作品販売を準備中。道屋社長は「プールでの運動量の目安ができる。多くの方の健康管理に役立てれば」と望んでいる。

 20年以上、健康のためプールに通う道屋社長。水中歩行は歩数を覚えて続けるのが困難なため、水中用の歩数計を買い求めたが、製品がなく、「なら自分で作ろう」と5年前に試作を始めた。

 ウォーキング用の歩数計をもとに試みたが、水中の浮力や結露で誤作動が生じ、開発は難航。光センサーを応用した方法を考案したものの、日中しかカウントできず、うまくいかなかった。

 試行錯誤の中、たどりついたのがプラスとマイナスのセンサー(電極)を利用したタイプだ。直径3㌢の計測器のケース内に、ICチップ、電池、液晶、センサーを入れ、センサーの先をケース外へ出した。水につけると、水が電線の役割をしてセンサーを通電し、それが歩数としてカウントされる。しかし、水から出した際、計測器表面に水が残っていると、カウントが狂う問題が残った。そこで両電極をシリコンで浮かし、水がよく切れるよう改良した。この部分の技術は昨年特許として認められた。

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 また、計測器にスイッチがあると、水が入りやすくなるため、バンドに埋めた磁石をかざせば、スイッチがオンオフになるようにし、防水性を高めた。

 既に「水歩計」の名で商標登録し、現在は試作品販売の準備を進める。協力した友人の久馬章三郎さんは「改良を重ね、カウントは正確になりました」。道屋社長は「苦肉の策の連続でした。手首に巻くタイプの、プールのロッカーの鍵につけてもらい、広がればいいですね。健康のためプールを利用する人口は増えています。健康管理に貢献したい」と話している。

 インターネットのユーチューブで「水歩計」で検索すると、動画が閲覧可能。オオマチデンキ(073・425・1986)。

写真 このページ上から=開発した道屋社長(左)と協力した久馬さん。下は水歩計の本体

(ニュース和歌山2015年10月3日号掲載)