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 けん玉の普及に取り組む和歌山市立西和佐小学校教諭の向井智哉さん(29)が12日、名古屋で開かれた「全日本けん玉パフォーマンス大会」で優勝した。6度目の挑戦でつかんだ初の栄冠。向井さんは「毎年、有力視されながら、優勝できずに歯がゆい思いをしてきた。緊張しながらも心から楽しめたのが良かった」と声を弾ませる。

 子どもとふれあえる手段にと大学4年で本格的にけん玉を始めた向井さん。学生時代は1日8時間、現在も放課後に1、2時間練習に汗を流している。2010年に現役最高位の6段に史上最短で合格し、世界大会を3連覇するなど国内外で優勝を重ねてきた。

 しかし、音楽や手拍子に合わせ自由なパフォーマンスを3分間披露する全日本けん玉パフォーマンス大会は、なかなか制覇できなかった。今回は音声合成ソフトで作られた楽曲『千本桜』に合わせ、糸なしのけん玉で得意のジャグリングをしたり、けんを重ねる技を織り交ぜたりとテンポ良く技を繰り出した。「ポーズを決めるなど、拍手のポイントを分かりやすくしました。お客さんと一緒に盛り上がることができました」

 普段から学校にけん玉を持ち込んで子どもたちに教えるほか、08年に日本けん玉協会和歌山北支部を立ち上げ、月に4回、練習会を木本連絡所で開く。「新しい技や自分で考えた技が決まると達成感がある。学校でもけん玉を通じて子ども同士がつながり、仲間の輪が広がっている。『地味で、1人でする』といったイメージを変えていきたい」と意気込んでいる。

 詳細は同支部HP。

(ニュース和歌山2015年10月31日号掲載)