きのくに青雲高校(和歌山市吹上)で10月26日、定時制課程と通信制課程の生徒が交流する機会にと、両課程の生徒約20人と教職員ら約10人が協力し、南門近くの花壇にチューリップの球根を植えた。
同校は、定時制の青陵高校と通信制の陵雲高校が統合し、2012年に開校した。青陵、陵雲時代に入学した生徒が今年3月に卒業し、4月に完全統合。同じ学校に通いながらも定時制課程と通信制課程の生徒が顔を合わせる場がほとんどないことから、定時制課程の村崎隆志教頭が花壇づくりを介した交流の場を提案した。
この日の作業は30人が協力。用意された赤、白、黄、ピンク、紫の5色の球根約300個を10分程度であっという間に植え終えた。定時制課程夜間部の生徒会長を務める竹田治斗(はると)さんは「きょう植えた花が咲くのは僕が卒業した後になりますが、来春、入学してくる子もチューリップがあると気分が良くなると思います」と笑顔。通信制課程生徒会長の三浦茉苗さんは「後輩たちにも花を育てる活動を受け継いでほしいですね」と話していた。
文化祭が開かれた29日には、育友会も一緒に約700個を植えた。村崎教頭は「チューリップは冬の寒さを感じないと花が咲きません。生徒たちもつらいこと、苦しいことはあると思いますが、それを乗り越えて花を咲かせる強さを育んでもらいたい」と願う。
村崎教頭はかつて勤務した県立和歌山高校や和歌山工業高校でも校内でチューリップを育てる活動を生徒や教職員、保護者らと展開。秋に球根を植え、翌春に花が咲いた後、後輩らが球根を掘り起こし、秋に植える〝チューリップリレー〟を通じ、交流を深めてきた。27日にはこうした過去の活動について、きのくに青雲高校隣りの桐蔭中学校で生徒たちに説明。同校でも11月中に球根を植える予定で、チューリップリレーの輪は広がりを見せている。
写真=球根を1つずつ丁寧に植えた
(ニュース和歌山2015年11月7日号掲載)