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 明治から大正にかけ新和歌浦の観光開発に力を尽くした森田庄兵衛(1862〜1924)の功績を讃える「森田庄兵衛の功績を顕彰する会」が設立された。和歌山市新和歌浦の萬波で10月27日に記念式典が開かれた。

 森田はかつらぎ町出身。全国でも有数の酒造家に育ち、慶應義塾大学で福沢諭吉に学んだ後、資材を投じ伊都自助私学校を設立して人材育成を図った。数々の事業に携わる中、1907年に病気療養のために過ごした和歌浦が気に入り、和歌浦や雑賀崎の山林を買い取って、2つのトンネルを完成させた。17年に新和歌浦土地株式会社を設立。料亭などをつくり観光客を集めたが、24年に亡くなった。

 55年には、新和歌浦観光ブームの礎を築いた功績を讃え、萬波に近接する第2トンネル前に顕彰碑が建立された。それから60年を経過した今年、改めて郷土の誇りとして森田を知ってもらおうと、和歌山市観光協会、和歌の浦観光協会、地元自治会の役員らが発起人となり、顕彰する会を立ち上げた。今後、定期的に集会を開き、和歌浦の歴史を振り返る勉強会などを開いてゆく。

 記念式典は顕彰碑の前で開催し、関係者ら約50人が出席。代表発起人の坂口邦三和歌山市観光協会相談役が「トンネルを通し、高津子山を桜の山にし、新和歌浦と命名したのが森田。その功績を大切にし、私たちも和歌浦、和歌山市のため今後も努力する」とあいさつした。和歌山市の尾花正啓市長は「森田庄兵衛は病気療養がきっかけで和歌浦の素晴らしさを知り、開発に努めた。和歌浦は癒やしの場所。この特色を今後生かしてゆければ」と話した。

 坂口さんは「森田は個人で道路を開通するなど和歌浦に尽くした人物。その功績を振り返る中で、和歌浦のこれからを考えたい」と語っていた。

写真=あいさつする代表発起人の坂口さん

(ニュース和歌山2015年11月7日号掲載)