古くから伝わる遊びや楽器の体験教室が、和歌山市内の2小学校で開かれました。貴志南小学校(同市中野)では昔懐かしいコマ回しとお手玉、新南小学校(同市木広町)では郷土芸能の黒潮躍虎(やっこ)太鼓を元気いっぱい練習しました。

貴志南小

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   昔遊びの出前授業が1月24日に行われ、1年生約50人がコマ回しとお手玉を体験した。犬塚博志校長は「スイッチを押せば動くオモチャではなく、身体を使い、自分で考えて遊ぶ楽しさを昔遊びから知ってほしい」と話している。  日本の伝統的な遊びを通じ、身近な物で遊びの工夫を学ぶ生活科の授業の一環。元小学校教諭の森教二さん、勝代さん夫妻が毎年、近所の仲間約10人と訪問している。

  回っているコマを手のひらに乗せる技を教二さんが披露すると、子どもたちは歓声をあげ、次々と挑戦。逆立ちゴマ、糸引きゴマなども体験した。お手玉は唱歌を歌いながらテンポ良く操り、的当てやラケットでの打ち合いといった遊びも楽しんだ。

  田中夢愛(ゆめあ)ちゃんは「コマを手に乗せる技が難しかったけど、できるようになるのが目標」、稲田壮真くんは「コマの種類がたくさんあって面白かった」、田伏唯ちゃんは「お手玉を使った色んな遊びが楽しかったです」と笑顔を見せていた。  森さん夫妻は「目を輝かせて遊ぶ姿を毎年楽しみにしています。身体能力、集中力が身につく昔遊びを子どもたちに伝えてゆきたい」と笑顔で語っていた。

写真=お手玉上手にできるかな?

 新南小

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 毎年、6年生の卒業を祝う集会で4年生が披露する恒例の黒潮躍虎太鼓。今年も黒潮躍虎太鼓保存会の宇治田良一さんを招いた練習が1月26日に始まった。4年生41人が本番に向け1ヵ月間、練習を重ねる。

  音の高い締太鼓、2人1組で打つ大きな宮太鼓、5、6人で竹を打つ竹太鼓のパートに分かれ、宇治田さんの合図でトトトン…と打ち鳴らし、リズムを体で覚えた。

  慣れ始めると、宇治田さんが「速くならないように気をつけながら音を大きくして」「太鼓の真ん中を打つように」とアドバイス。子どもたちはいっそう真剣な表情でバチを握りしめた。

  次第にバラバラだったリズムがそろい出し、勇壮な音が響き渡った。腕の疲れもなんのその、宮太鼓を打つ児童が「ヤー」と掛け声を上げると、皆で勢いよく打ち続けた。

  塚本壮祐くんは「リズムはすぐ覚えられると思っていたけど、案外難しかった」、池田瑠唯(るい)さんは「締太鼓より竹太鼓の方が音が高かったのが発見でした」とにっこり。

  宇治田さんは「子どもはリズム感がいいですね。太鼓を打った後の顔がスッキリしています」と目を細めていた。

  教二さんが会長を務める和歌山マジシャンズクラブによる小学生対象マジック体験教室が3月18日~9月の土曜全10回、午後1時半から和歌山市市小路の河北コミュニティセンターで開かれる。1000円。希望者は2月20日までに森さん(073・452・8627)。

写真=3つのパートに分かれ、勇壮な音を響かせた

 (ニュース和歌山より。2017年2月4日更新)