大病で体を動かせなくなった陶工家、加藤呆葊(ほうあん)さんの半生をヒントに、和歌山市の得津美惠子さんが新作小説『沙夜月』を7月20日、夢叶舎から発売した。
陶芸を学ぶため世界中を回った後、1966年、広川町に工房を構えた加藤さん。10年ほど前に大病で作陶できなくなった彼を元気づけようと、得津さんは筆を執った。「先生の陶器に対する熱意を登場人物に落とし込み、魅力的だが影を持つキャラクターが生まれました」と話す。
主人公は画廊で働く女性社員、深江静香。焼き物への探究心が強い陶工家、津村幸四郎との出会いから別れまでを描いている。
101㌻、1650円。宮脇書店和歌山店、ツタヤウェイガーデンパーク店で販売。
(ニュース和歌山/2021年9月4日更新)