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 アフリカ・ウガンダで半年間、現地青年に野球を指導した和歌山大学教育学部4年の土井拓哉さんが、ウガンダ人のカトー・エリックさん(19)を1日から3ヵ月間、和大硬式野球部に招き、日本の野球を学ばせている。投手として期待されるカトーさんは「技術やマナーを身につけ、学んだことをウガンダでみんなに伝えたい」と真剣だ。

 高校の地理教員を目指す土井さんは国際協力機構の野球指導員として、昨年9月から今年3月までウガンダへ。帰国後、有望な若者2人を日本に招き、指導者に育てようとプロジェクトを立ち上げて渡航費を募り、2ヵ月で110人から97万8000円を集めた。地元チームのリーダーを務めるカトーさんのほか、もう1人が10月中旬に来日し、東京大学硬式野球部の練習に加わる。

 カトーさんは部員と英語でコミュニケーションをとりながら練習に参加し、下半身を重点的に鍛える。アドバイスする経済学部1年の坂田龍馬さんは「ウガンダにはない道具を見ると目を輝かせていて、自分たちが当たり前のように野球ができるありがたみを感じました。脚力があり指が長く、成長する潜在能力は十分ある」と目を見張る。

 カトーさんは11月末まで阪南市の土井さん宅にホームステイしながら、11月に行われる独立リーグのトライアウトに挑戦するほか、プロ野球を観戦し、高校野球部の練習にも参加する。土井さんは「家では一緒に野球の映像ばかり見ています。ウガンダでは1日2食なので、3食とるのに戸惑っている様子。10㌔ほど増やして身体づくりをしたい」とにっこり。

 現在、和大野球部は3日に開幕した近畿学生野球連盟秋季リーグ戦のまっただ中。カトーさんは「ベンチからもしっかり声が出ていて、試合に負けていても最後まであきらめない姿勢が、ウガンダとの一番の違いと感じました。トライアウトまでにもっとコントロールや球速を向上させたい」と気合いを入れている。

写真=カトーさん(右から2番目)を野球部に招いた土井さん(左端)

(ニュース和歌山2016年9月17日号掲載)