若年層の自殺増加受け

 全国的に減少傾向にある自殺者数がここ2年、和歌山では39歳以下の子ども・若者世代で約2倍に増えている。自殺予防に取り組む心のSOSサポートネットと和歌山いのちの電話協会は4月30日(月)午後3時、和歌山市民会館大ホールで「青少年支援を考えるシンポジウム」を開く。

 全国の自殺者は2003年の3万2109人をピークに減少し、16年は2万1017人に。和歌山県内でも最も多かった01年の317人が14年には168人と下がったが、16年に再び206人に。中でも39歳以下は30人(14年)から58人(16年)へ急増した。

 自殺の多くは、複合的な原因や背景が重なって起きる。警察庁が遺書などの資料をもとに推定できる原因や動機をまとめた自殺統計によると、健康問題が高齢者層は64・7%を占めるのに対し、子ども・若者世代は35・3%と低く、勤務問題(15・8%)、男女問題(13・2%)が他の世代に比べて高かった。

 こうしたことから、自殺を防ぐための青少年向けの支援について考える。同協会の安田始弘(もとひろ)理事長、日赤和歌山医療センター精神科部長の東睦広さんらが、いじめ、虐待など青少年を取り巻く様々な問題について討論する。後半は県出身の津軽三味線奏者、木乃下真市さんと、千葉県出身の松橋礼香さんのコンサートがある。

 無料。入場券が必要。同協会(073・425・3261、月水金午前10時~午後3時)。

(ニュース和歌山/2018年4月14日更新)