和歌山市の伏虎義務教育学校(鷺ノ森南ノ丁)と名草小学校(紀三井寺)では、近くの川や校内の森で子どもたちが学習したり、遊んだりしています。身近な自然にふれ、環境問題や四季の変化を肌で感じ取っています。

 

伏虎義務教育学校 内川にいる生き物は?

 校区内を流れる市堀川の昔と未来を考える授業に、伏虎義務教育学校3年生が取り組んでいる。

 身近な市堀川にスポットを当て、歴史や現状を調査して地域の未来を描く総合学習。川を生かしたまちづくりに取り組むわかやま水辺プロジェクトや、内川をきれいにする会のメンバーらも教壇に立つ。

 6月1日は、水辺の環境教室を開くNPO「人と自然とまちづくりと」の平井研さんらを講師に、川の生き物を観察した(写真)。

 平井さんが市堀川に関するクイズ形式の授業を実施。この後、市堀川の遊歩道で和歌山県立自然博物館の揖善継学芸員からカニカゴや投網を使った捕獲方法を学んだ。前日の夜から仕込んでいたカゴには残念ながら何も入っていなかったが、揖さんらが午前中に捕まえたマハゼとボラのほか、フタバカクガニとフナムシを見せた。子どもたちは興味深そうに見つめ、「意外とかわいい」と笑顔で手に取る子もいた。

 平井さんは「50、60年前、この川はもっと汚かった。その時に戻らないよう、よりたくさんの生き物がいる川にするため、自分たちのまちをどうしたいのか意見をどんどん出してほしい」と呼びかけた。

 2組の野上昂子(こうこ)さんは「水が汚いとは知っていたけど、少なくとも10匹はいると思ったので残念だった」。1組の眞鍋樹くんは「みんなで協力して、ゴミを捨てないようにしたい」と話していた。

 

名草小 〝自然〟のジャングルジム

 「今日はヤマオニしよう!」。休憩時間を知らせるチャイムが鳴ると、元気よく裏山へかけ出す子どもたち。名草小学校では、校舎の東側に雄大な名草山が広がり、格好の遊び場となっている。

 校庭にすそ野が約50㍍ほど接しており、遊べるのは高さ12㍍までの場所。ハコヤナギやシイの木が生い茂り、山の斜面に力強く張った根がむきだしになっている。

 森の中で鬼ごっこ「ヤマオニ」を楽しむグループや、四つんばいになって木の根によじ登ったり、張られたロープに沿って斜面を歩いたり。「ここなら登りやすいで」と下級生に教える子や、「見て! こんなん落ちてた!」ときのこを見つけ、はしゃぐ姿もあった。

 4年の井戸本陽向(ひなた)くんは「自然のジャングルジムみたい。木登りが楽しい」、5年の中拓人くんは「きのこ、たけのこ、イノシシの足跡など、いろんなものを見つけます」とにっこり。

 髙石知都教頭は「特別な遊具はないけれど、それがいい。四季折々の自然にふれられる自慢の場所です」とほほ笑んでいる。

写真=元気よく木の根と斜面をよじ登る

(ニュース和歌山/2018年6月16日更新)