2015062008yuru

 和楽器のすばらしさを広めようと活動する和歌山市の箏(こと)奏者、久保利文音(くぼり・あやね)さんと尺八奏者の川端萠宇山(ほうざん)さんのデュオ「ゆるりら」が6月1日、同市栄谷の和歌山大学で留学生に生演奏と体験指導を行った。川端さんは「日本人ですらあまり知らない伝統楽器ですが、海外の人が興味を持ってくれることが多い。和歌山に来ている留学生にぜひ親しんでもらいたい」と話していた。

 ゆるりらは、生田流筑紫会箏曲教授の久保利さんと、都山流尺八大師範の川端さんが2013年に結成。後進を指導するかたわら、無料のミニコンサートや小学校での体験教室を開き、和楽器の魅力を積極的に発信している。

 今回は「日本文化入門」を受講する中国やベトナム、ロシア、韓国などの留学生25人に向け実施。アンサンブルで『春の海』と『鞠と殿様』、葉加瀬太郎さんのヴァイオリン曲『エトピリカ』をアレンジして披露した。体験では尺八を手にした留学生が音を出すのに大苦戦。箏は親指一本で『さくら』に挑み、うまく弾けると「すごい」「面白い」と歓声が上がった。

 フランス人のハイメル・クリスティーナさんは「箏の演奏が楽しかった。音がすごくきれいで感動した」、韓国人のイ・ドックミンさんは「尺八の音が最後まで出せず、もっと練習したいと思いました」と笑顔。久保利さんは「ほとんどの人が『さくら』を知っているのに驚きました。『機会があれば習いたい』と言ってもらえ、うれしかった」と喜んでいた。

写真=尺八の説明をする川端さん(右)

(ニュース和歌山2015年6月20日号掲載)