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 高齢妊娠の増加を受け、和歌山市小松原の日赤和歌山医療センターは10月2日(金)、胎児の状態を調べる出生前検査や診断の悩みに応じる「周産期遺伝カウンセリング外来」を新設する。遺伝専門の産婦人科医が対応する県内初の専門外来で、産婦人科部の豊福彩副部長(写真)は「イメージやあいまいな情報に戸惑う妊婦が多い。個々の悩みに応じて正しい情報を伝え、検査を受けるか受けないかの自立的な判断をしてもらいたい」と話している。

 厚生労働省によると、和歌山県内の全出生数に占める35歳以上の母親は2000年の9・7%に対し、昨年は23・6%と増加。日赤では、高齢出産のリスクや出生前検査についての相談が多く、遺伝に詳しい臨床遺伝専門医とゆっくり話してもらう場をとカウンセリング外来を開設した。

 35歳以上の妊婦か、過去に染色体や遺伝子に異常がある胎児を妊娠したことがある妊婦、また、かかりつけ医でそれらの異常を指摘された人が対象。年齢や状況に応じ、疾患のある子が生まれる確率、検査で分かることと分からないこと、検査に伴うリスクを説明する。また、育児環境の情報を提供するなど診断結果が出た後も継続してサポートする。

 豊福副部長は「必ずしも出生前検査を勧める外来ではない。インターネットや周囲の情報に惑わされて不安なままで検査を受けるのでなく、専門医と話し、熟考する機会にしてほしい」と望んでいる。

 水曜と金曜の午後2時。予約制で、かかりつけ医の紹介があるか、同病院を受診している妊婦が対象。初回5400円、再診3240円。同センター(073・422・4171)。

(ニュース和歌山2015年9月19日号掲載)