和歌山で働く人の声を通じ、中高生に地元への愛着を感じてもらう「さくらノート和歌山」を12月、和歌山市の印刷会社ウイングが創刊した。

 「さくらノート」は2007年に石川県で生まれた。地域で働く人たちの声を中高生に伝え、将来のキャリア形成と地域の魅力を知ってもらう冊子で、現在、富山、北海道でも発行。和歌山では県内の就職応援情報誌を発行してきたウイングが「地域社会と学校を結びつけ地元の振興を目指そう」と発刊を決めた。

 創刊号では、医師や警察官、営業マン、介護福祉士ら12人が仕事選びの経緯や仕事の内容、思いを語っている。「なるべく若い人につらいことや失敗談も話して頂き、何が自分たちの将来に生きるかを伝えたいと思いました」と編集長の宇治田健志さん。このほか、「なるにはシリーズ」と題して司法書士の仕事内容となり方を紹介した。「ふるさとの歌わかやまの万葉」とし、村瀬憲夫・紀伊万葉ネットワーク会長が万葉集の魅力を語る特集も設けた。

 和歌山市内の公立中高に配布し、今後は年2回発行する。松下忠社長は「〝郷土愛的キャリア教育本〟。なりたい自分をイメージし、和歌山での就職につなげるか、出て行ってもUターンして働くことの一助になれば」と望んでいる。

 B5判、28㌻。ウェブ版は「さくらノート和歌山」で検索。ウイング(073・453・5700)。

(ニュース和歌山/2020年2月1日更新)