提案者:田中 寛人(地域活性化支援団体「いなか伝承社」)

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 子どもが自然の中で活動する機会が減少していると考え、 自然の中で大人が極力介入せず、子どもを信じて成長を見守る保育として1970年ごろ、北欧で始まった「森のようちえん」という取り組みがあります。日本でも各地で広まっており、私たち「いなか伝承社」も今月から自主保育型として開始します(今月は岩出市の根来山げんきの森)。

 森のようちえんでは自然そのものが遊び道具です。季節の変化や景色を楽しみます。裸足で走り回ってもかまいません。カリキュラムをこなすのではなく、お散歩が基本になりますが、時には刃物を使った調理も行わせます。また、和歌山ならではの体験も積極的に取り入れる予定です。

 子どもたちは本来、自然の中で育つ力を持っています。自然の中は1日として同じ状況はなく、リスクはありますが、成長に必要なものが何でもあります。変化に富んだ環境で体を動かし、五感で感じ、挑戦し、迷い、考え、発見し、助け合いながら、経験とともに1日1日、子どもたちは成長していきます。

 乳幼児期の脳の急激な発達速度から考えても、未就学児のころから週に1回以上、変化に富んだ自然の中での体験で多様な刺激を感じさせた方が良いと思います。週に1回が難しい場合でも、せめて月に2回は経験させるというのはどうでしょうか?

 自然が子どもの発達に与える影響として、①ストレス解消と自己解放・情緒の安定②複雑な動きによる十分な運動機能の発達、免疫力の発達③直接体験による感覚の発達④命の価値を知る、他者の尊重を知る、などが言われております。

 私たちが住む和歌山は、市街地から少し行けば、豊かな自然が存在することが、子育て環境として大きなメリットのひとつだと思います。これを生かし、子どもの可能性を広げてみませんか?

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。

 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。

【応募先】

編集部「よくする法案」係

郵送=〒640・8570ニュース和歌山

FAX=073・431・0498

メールnwtoko@nwn.co.jp

法案への読者の声

5月16日号掲載 ボランティア銀行を各地域に

 ボランティア活動をポイントにして、その出し入れにより助け合う「ボランティア銀行」を各地域におき、安心して生活する工夫をしましょう。(紀美野町志賀野地区・赤阪惠子)

  ボランティア活動をするにしても地域の人員の充足が前提。記事ではそこまで触れていないが、その点も考慮した上でボランティア銀行を立ち上げてみると、うまく運用できるかもしれない。人があってこそボランティアが成り立つ。老若男女問わず、ボランティアに関心のある人を町に呼ぶことで、ちょっとした町の宣伝にもなるのではないか。(契約社員 川﨑健太・32歳)

sanseiorenzi

 何もしなくても自然と地域が家族のようになるのが理想であるが、最近はそうもいかない。なので、誰にも孤独を感じさせないために、地域が家族となるような制度づくりは必要だと思う。(会社員 匿名・36歳)

 

5月9日号掲載 商店街復活へ給与を商品券に

sanseiorenzi

 戦前戦後の七曲市場は、いつ行ってもにぎわっていた。けれども、先日寄ってみたが、店が少なく、昔の面影が全然なくて寂しくなっていた。「みなとのななまがり ななまがりにくいななまがり まがってみれば ななまがりやすいななまがり」とよく早口言葉で言ったものだ。以前のようににぎわうよう祈っている。(主婦 匿名・82歳)

 私の両親は七曲市場が好きでよく買い物に出かけていたが、ひいきの店が閉店し、足が遠のいている。法案が実現すれば、商店街の再活性化につながり、以前のようなにぎわいを取り戻すだろう。ただ、駐車場などの設備を充実させる、近隣の大型ショッピングセンターとの差別化を図る、などの努力も商店街側に必要。(主婦 匿名・30歳)

 和歌山にある商店街では、生活に必要なものがそろわない。たとえ給与の一部が商品券になっても、店が無ければ使えないし、不便な商店街が廃れていくのは、自然の理では。本案のような強硬手段をとっても、便利さに慣れてしまった客は戻らない。復活のためには「懐かしい」「昔ながら」といったこだわりは捨て、現代に合った改革が必要。(学生 匿名・16歳)

(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)