今から約450年前の戦国時代、和歌山を拠点に活躍した雑賀鉄砲衆。リーダーが、雑賀孫市です。大阪を攻めた織田信長の軍を追い払い、名前が知られました。和歌山市では15年前から、地元ヒーローで和歌山を元気にしようと、市民が「孫市の街」をアピール。3月26日(日)には南海和歌山市駅近くの鷺森別院で孫市まつりが開かれます。

信長軍追い返す活躍

 和歌山市と海南市の一部は戦国時代、「雑賀」と呼ばれました。孫市は、和歌山市北部出身で本名は鈴木孫一です。

 孫市が活躍したのは、1570年に始まった戦い。今の大阪城の場所にあった石山本願寺を信長軍が攻めた時、孫市は雑賀鉄砲衆で追い払いました。「雑賀衆を味方にすれば必ず勝ち、敵にすれば必ず負ける」と言われるほど。和歌山を攻められた時は、川底につぼを備えて信長軍の動きを止める独特の戦法を取りました。最後は、信長と話し合い、本願寺が和歌山市鷺ノ森に移りました。

写真=雑賀衆になりPRする孫市の会

かぶと、火縄銃使いPR


 和歌山市では2002年、南海和歌山市駅前商店街が、孫市を戦国時代のヒーローと考え、町を元気にする活動を始めました。

 孫市の会はアルミ板やヘルメットを使い、よろい、かぶとを製作。火縄銃を手に、イベントがあれば町を歩いてPRします。市駅前に孫市の木像を展示し、まごりん、ヤタっちというゆるキャラも作りました。05年に始めた孫市まつりは今年13回目になります。

 森下幸生代表は、学校で孫市について話す機会があるたび、子どもたちが自信を持てるよう、「雑賀衆は日本一の鉄砲集団。こんなにすごい人たちが和歌山にいた」と伝えています。

 今後もあちこちでPRしながら、「和歌山といえば雑賀孫市といわれるように」と活動を続けていく考えです。

写真=火縄銃を手に鉄砲体験

孫市まつり

☆3月26日㊐11:00〜16:30
☆本願寺鷺森別院(和歌山市鷺ノ森)
☆内容
・武者行列(10:30)
・劇『雑賀孫市最強伝説』(12:00)
・孫市鍋ふるまい(12:30)
・映画『尻啖え孫市』(13:10)
・ライブ『よみがえれ孫市』(15:15)

(ニュース和歌山より。2017年3月22日更新)