今回はお城の動物園でポケットさんが観たニホンジカの角について報告します。角はオスだけにあり、小さな1本角のシカは去年生まれた子どもです。どのようにして、枝分かれした大人の角になるでしょうか?
実は、シカの角は全て春に根元から抜け落ちます。子どもの小さな角もポロンととれ、枝分かれした角が新しく生えます。皮膚に覆われ、血の通った角が伸び、夏の終わりに皮がむけて白い角になります。
硬い角をどんなことに使うのでしょうか? 3才のオス2頭が角をつき合わせて力比べをする場面を観察しました(写真)。左右の形が整った長い角のオスが、もう一方より強いようです。秋は繁殖の季節。メスや場所をめぐって、角を使ったオスたちのやりとりが見どころです。
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ポケットさん(松本朱実さん)
動物教材研究所pocket主宰。動物園で飼育員や学芸員として働きました。生き物の見どころや調べ方をアドバイスします。
(ニュース和歌山/2018年11月14日更新)