《回答者》
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 コロナ禍で運動量が減少し、また寒い時期になって水分摂取量も減ることから、毎日あった排便が2〜3日に一回になることも起こってきます。便秘には明確な定義はなく、「排便が2~3日に一回しかないけれど、ちゃんと便が出ているから自分は便秘ではない」と思っている人も多くいます。

 ところが、3日も4日も排便できずにいると、2〜3センチの粘土状の便がくっつきあって肛門をふさいでしまい、気張ってもスムーズに便を出せなくなります。数日経っても十分な量の便が出ず、腹部の張りや肛門部の強い不快感に苦しんで、救急病院を受診する方もいます。とはいえ、便をかき出すのは容易ではありませんし、洋式トイレでは踏ん張ってもしっかりといきめないことが多く、一層排便が難しくなります。

 普段から便が硬めの方やコロコロ便の方はもちろんですが、2日間排便がなければ、浣腸か下剤を使用し、便を出すようにしましょう。また、下剤を服用してもまったく出ないこともよくあるので、万が一に備え、浣腸を常備しておくことをおすすめします。予防の基本は、毎朝排便があるように、食事や生活習慣を見直すことです。また、冬場でも運動と十分な水分補給を心がけましょう。

(ニュース和歌山/2020年12月20日更新)