《回答者》
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 肛門に違和感を生じたと思ったら痛みを伴うイボができ、翌日には激痛に悩まされることがあります。これを「血栓性外痔核」といいます。イボは1㎝前後、時にはそれ以上になります。きっかけは様々で原因ははっきりしていませんが、肛門に急激な負担が一時的にかかることで血流が滞り、血栓(血の塊)ができて発症します。

 ほとんどの場合、注入軟膏や痛み止めの薬、腫れを引かせる薬で改善するため、手術などは必要ありません。とくに早期に適切な治療を開始すると症状は消失し、治ります。入浴で患部を温めるのも有効です。肛門部に便が溜まると痛みが強くなるので、浣腸などですっきり出してしまいましょう。

 痛みのピークは2~3日目で、その後引いていきます。経過中に皮が破れて出血することがありますが、数日で止まります。ただし、痛みが激しく、全く眠れない、座れないなど、日常生活に支障がでるような重症時には、外科的治療を行うこともあります。

 一方で、血栓が大きかったり治療が遅れると、腫れが引いたあとに肛門に皮膚のしわとなって残る場合があります。肛門の周りが急に腫れる外痔核の症状がでた時には、すぐに専門医を受診しましょう。

(ニュース和歌山/2021年3月28日更新)